花は野にあるように
「………むぐっ。
どうして、僕が食べかけてるのを取っちゃうの?」


一生懸命に飲み込んでから、怒って見せた僕にリョクは口を尖らせた。


「だってさぁ、落っこちそうだったんだぜ?
こんな旨そうなの、落っこちたら勿体なくねぇ?」


あう。


リョクに取られたんだと思って、怒って見せたのに落ちそうだったのを救ってもらってたなんて。


「ごめん、そうだったんだ?」


心の狭い自分の事を恥じながら、僕はリョクに謝る。


「や、それにミキが食べてる方が旨そうに見えたし。」


………。


僕の謝罪を撤回してもいいかな?
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