花は野にあるように
「んで?
展示って何を展示するつもりなんだ?」


黙り込んだ僕の沈黙をどう捉えたのかは知らないけれど、リョクは新しいおにぎりに手を伸ばしながら尋ねてきた。


「あ、うん。
僕は去年とおんなじような内容しか思い付かないんだ。
だからね、リョクが何か思い付かないかなぁっておもったんだけど。
なにか良いアイデアある?」


リョクにうながされる形で、僕は会話を続けた。


「んんー。
そだなぁ。急にいわれてもなぁ。」


おにぎりを持ったままの掌で、リョクは頭を掻く。


あ、頭のてっぺんにご飯粒がついちゃってるよ。
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