花は野にあるように
「んんー。
そうだなぁ、面倒だから不参加………ってのはダメなんだよな?」


僕の冷たい視線に気付いて、リョクは頭を掻きながらごまかすように笑う。


「時間はあんまりないけどさ、展示だからって見て終わりって感じにはしたくないよな。」


考えながらも、リョクはしゃべる口と食べる口を器用に使い分けて、お弁当箱の中身を減らしていってくれる。


「だけどなぁ、来た人みんなに花を配るって訳にもいかないだろうしなぁ。」


「それは、ちょっと無理だよね。」


予算的にもキツイ案に、僕は首を振った。
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