花は野にあるように
「心配させて、悪かった。
ゴメン。」


ぎゅっと僕の事を強く抱き締めて、それからリョクはそうっと僕の事を離した。


ついっと上げた視線の先に、ほんの数歩だけ先にある僕達がさっきまで座っていた大きな岩が、お日様に照らされてほんわりと白く浮かび上がっているように見えた。


そのスポットライトに照らされた舞台のような岩を見ていると、さっきその上でリョクから与えられたキスを思い出してしまって僕はまた顔が熱くなってくるのを止めることが出来なかった。
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