花は野にあるように
「でもさ、見て『あーなんかキレーだったよなー』ってので終わっちまったら、嫌じゃねぇ?
なんか、残るモンあった方がいいよな?」


お箸をくわえたままで、リョクはそこに答えが書いてあるわけでもないのに、空を見上げた。


「んー。」


唸りながらしばらくそうしていたかと思うと、リョクはポン、と手を打った。


「今からさ、花壇作るのってどうだ?」


「え?
花壇………?」


リョクの言っている意味を理解しそびれて、僕はオウムのように聞き返した。
< 680 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop