花は野にあるように
上目遣いでリョクを見ながら僕がおずおずと言ったお願いに、リョクは力強く頷いてくれた。


「ん。
まかしとけって!
で、場所なんだけどさ、この中庭でもいいんだけどさ、どうせならもっと集客しやすい場所でやってみたくねぇ?」


ニィッて笑いながら、リョクが悪戯っぽい口調で言う。


うんと?


どういう事かな?


僕は話が見えなくて、首をかしげた。


「校舎の西側の庭園に花時計あるじゃん?
今、園芸部に任されてるのってその周りにある花壇だけだよな?
それを花時計ごと、いじらせてもらうっての、やってみたくねぇ?」
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