花は野にあるように
間延びしたチャイムが鳴り響いて、廊下で談笑していた人達も教室に集まり始めた。


なんだかいつもより騒めいているような気がするのは気のせいじゃなくて、転校生の噂の所為なのかな?


落ち着かない雰囲気の中、ホームルームの開始を告げるチャイムと共に、担任の山元先生が教室に入ってきた。


廊下に向かって何かを言った後、扉を開けたままで教壇に立つ。


「きりーつ。」


日直の掛け声で、ガタガタと机と椅子を鳴らして僕達は立ち上がって、挨拶をした。


『オハヨーゴザイマース』


さっきまどの雑談の時とは違って、声の調子も低く、気持ちも籠もっていない挨拶。


気持ちは乗らないままなんだけど、僕も唱和した。
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