花は野にあるように
すっごく緊張しながら話し始めた僕の事を、理事長先生はほんの少しの間じっと見つめた。


そして、なんにも言わないままで僕から視線を外して理事長室の扉に手をかける。


「あ、あの………っ!」


そのまま、僕の前を横切って部屋の中へ入って行こうとする理事長先生に、僕は慌てて声を掛けた。


「話だけでも聞いていただけませんかっ?
お忙しいのは知ってますけど、聞いていただきたいんですっ!」


このまま、話が出来なくなってしまわないように、僕は必死に言葉をつなぐ。


とにかく、話だけでも聞いてもらわなきゃね。
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