花は野にあるように
怒られちゃうかな、と思ったけど、まったく違う表情を浮かべたふたりが同じ事を言っているのが、どうにもツボに入ってしまった僕のニヤニヤ笑いは止まらなかった。


「………気にさわったり等しませんよ。
あの子からの受け売りですからね。」


少し、間を空けて理事長先生からそんな言葉が出てきた。


僕は思わず、顔を上げて理事長先生を見る。


「このティーバックも、カップも、あの子から貰ったものですからね。
その際に色々とレクチャーを受けましたよ。」


じっと僕の前に置かれたカップを見つめて、理事長先生はそう言った。
< 709 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop