花は野にあるように
「山………?」


理事長先生は、少しだけ考えるような仕草をしたあと、思い出したように頷いた。


「あの遭難事件ですね。
そう言えば、怪我の具合はいかがですか?」


まっすぐに僕を見て尋ねる理事長先生に、僕はきちんと視線を合わせた。


「ご心配ありがとうございます。
軽い捻挫だったから、すぐに治りました。」


軽く頭を下げて、心配してもらった事への感謝を伝える。


それにしても、そんな事までちゃんと覚えていてくれてるなんて、理事長先生ってすごいなぁ。
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