花は野にあるように
「あ、でも、今の花時計が素晴らしいものじゃないっていう意味じゃありません。
ただ、あの花時計は僕がとても憧れている場所なので、高校最後の文化祭の記念に、あの場所を任せていただきたいんです。」


僕は一生懸命に訴えた。


握った手のひらに、また汗がにじんでくる。


でも、ちゃんと伝えなきゃ。


「もちろん、園芸部に委されているのは花時計の周りにある花壇だけで、花時計は業者の方が専門になさっている事はちゃんとわかってますし、本当なら理事長先生にこんな事をお願いするべきじゃないっていうのもわかってるんです。」
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