花は野にあるように
そうだよね。


確かに、理事長先生にお願いすることじゃないかな、とは思っていたんだ。


でも。


もしかしたら、何とかなるかもって甘く考えちゃったんだよね。


自分の考えの甘さに、僕の頭がどんどん下がっていく。


そして僕は。


「すみませんでした。」


自分でも震えてるのがわかる、情けない声でようやくそれだけ言うと、力の入らない足で立ち上がろうとした。


「お忙しいのに、時間をいただいてしまってすみません。」


謝罪の言葉を伝えながらも、震えている声が聞き苦しくてみっともない。
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