花は野にあるように
チマチマしたって………。


リョクのその物言いに、僕は少し呆れながらリョクの顔を見上げてしまった。


「なんかさ、でっかい肉の塊を切り分けて焼くとか、釣った魚をさばいて食うとかなら得意だし、鍋に色々放り込んで飯にぶっかけて食うなんてのも大丈夫なんだけどさ。
ちっちゃいフライパンでさ、ひとり分だけチマチマと、ちゃんとした料理作るなんてのはちょっと勘弁してくれって感じなんだよ。」


なんだか照れたように頭を掻きながら、そう言ったリョクを僕はすっごく可愛いと感じてしまっていた。
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