花は野にあるように
だから。


「じゃあ明日からリョクのお弁当、僕が作ってあげるよ。」


つい僕はなんにも意識しないまま、自然な流れでそう言ってしまっていた。


「え………?」


信じられないっていう表情のリョクが僕の顔を覗き込むように見下ろしてくる。


「僕んち、両親は共働きだからいつも僕が料理や家事を担当しているんだ。
毎日、自分の分と両親の分の3人分作っているから、1人分ぐらい増えたって大丈夫だよ。」


奇数より、偶数の方が分けやすいしね。


そう付け加えて僕はリョクを見上げた。
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