花は野にあるように
理事長先生が、微妙に視線を合わさないようにして言う。


「違うって。
気に入ってるっていったのはミキの方。
ミキにだけ紅茶出すぐらい、気に入ったんだろ?」


「な、なんっ!
そ、そう言うわけではなく、たっ、ただ、緊張していたようでしたので、リラックスしていただこうと………。」


慌てたように、理事長先生は言う。


だけど、僕には何となくわかってしまった。


「僕があんまりひどくあがっていたから、理事長先生のおとっときのお茶とカップで僕の緊張をほぐそうとしてくださったんですよね。」
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