花は野にあるように

「紅茶、気に入ってくれてたんなら、言えばいいのに。
今年の新茶も送ってもらってるから近いうちに、持っていくよ。
家で飲むなら、リーフのがいいだろ？
そっちも一緒に持っていくよ。」


リョクが言いながら、理事長先生に顔を寄せる。


そして、外国映画みたいに自然に理事長先生の頬にキスをした。


「緑風さんっ！」


慌てたように理事長先生は言って、僕の手も離してしまう。


「ん？
ほっぺたにチュウなんて、挨拶代わりだろ？
んなに、目くじら立てなくてもいいじゃん。」


「ここは日本です。」