花は野にあるように
そんなリョクに僕は肩をすくめて見せた。


「ものすごーく、取って付けたような理由に聞こえるよ?」


「お?
そうか?」


だけど、リョクはちっとも悪びれた風もなくおどけた表情をしてみせる。


「うん。
でもね、リョクの紅茶を大事に飲んでらっしゃる事とか、僕にまで気遣いして下さったりとか、理事長先生って本当に良い方だよね。
初めはもっと怖い方なのかなぁって思っていたから、緊張しちゃったんだよね。」


でも、それは僕が見た目や雰囲気だけで勝手に持っていた先入観のせいでそう見えていただけなんだ。
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