花は野にあるように
「全然。」


ちっともうらやましくなんてないよって。


プイ、と小さな子供みたいに横を向いて僕は答えた。


だって、理事長先生はリョクの大事な血のつながったお祖母さんなんだし、外国暮らしの長いリョクが、スキンシップでほっぺたにキスするぐらい、普通なんだろうし。


べ、別に理事長先生の事、いいなぁって思ったりなんてしてないんだからねっ!


「ふうん、全然?
残念、ってゆーか、それともソレってあんなのじゃ、うらやましくもなんともないって事?」


ちっとも残念そうな表情を浮かべていないリョクが言う。
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