花は野にあるように
そして、リョクは僕を廊下の壁際まで追い込むように近寄ってくる。


「リョク、な、何?」


嫌な予感を覚えた僕はニッと笑ったリョクから逃げるように、ジリジリと動こうとするんだけど。


リョクにうまい具合に退路を絶たれてしまう。


そして熱いリョクの掌が僕の顎に当てられたかと思うと、つい、と顔を上に向けられた。


そしてリョクは覆い被さるように真上から僕の顔を覗き込む。


「ミキはあんなキスなんかじゃ、足りないって事なのかな?」


ワザとらしくクスッと笑ったリョクの顔が近付いてきて。
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