花は野にあるように
やけに鼻にかかった甘い声を出しているのが自分だっていうことにも、すぐには気付かなくて。


「続き欲しいなら、ギャラリーのいないトコへ移動する?
それともこのまま、ここでいっちゃう?」


そんなことをリョクに言われて初めて、僕は自分がどこで何をやっているのかを認識した。


「な、こっ!
これっ!
リ、リョクッ!」


少し遠巻きに僕たちを見ている人達は、3年の生徒ばかりじゃなくって。


下級生達も混ざっていて。


でもみんなおんなじように僕達を見て動きを止めていた。
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