花は野にあるように
小さくため息をついてから、僕はすぐ近くにあるリョクの顔を見上げた。


「もう充分に謝ってもらったんだってば。
それ以上謝らなくったっていいよ。
リョクの謝罪の気持ちは、もうきちんと受け取ったから、ね。」


一生懸命に僕が言っても、まだ心配そうな表情をしているリョクに、僕はニコリと笑って見せる。


「………ホントにもう怒ってない?」


トレーナーに怒られて、へこんじゃってる大型犬みたいに、リョクは少しうつむいた姿勢から上目使いに僕を見ている。


なんだか、あんまり可哀想でこれ以上責めちゃいけない気分になるよね。
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