花は野にあるように
「劇?」


なのに、リョクは機嫌の悪そうな表情になっていて、小林さんに聞き返す。


「本格的にンナもんやれんのか?
講堂とかでやるんだろ?
舞台装置や演出なんか出来る奴いるのかよ。」


腕組みをしたリョクの、へのじに結ばれた唇から、不機嫌だってことがあからさまにわかるような声がこぼれる。


リョク?


急にどうしちゃったんだろう。


さっき、僕が突き飛ばしちゃったのが気に触っちゃったのかなあ?


転んではいなかったと思うんだけど、………それとも、それじゃないなにか違う理由なのかな。
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