花は野にあるように
え?


え、と?


「わ、罠?
………って、何?」


リョクが言い出した単語の意味がわからなくて、僕はマヌケな頼りない声で2人に向かって訊ねた。


どうして、クラスの出し物の話をしているだけなのに、罠なの?


「罠だなんて失礼なー!
大地君、発言がひどすぎだよー。
クラスみんなで一丸となって文化祭、頑張ろうねって言ってるだけじゃない。」


口を尖らせながら小林さんがリョクに文句を言う。


「『言ってるだけ』じゃ、ないだろ。
お前、協力を先に取り付けておいて、面倒なこと押し付けるつもりだろ。」
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