花は野にあるように
リョクが、じっと見つめながらそう言うと、小林さんはしばらく黙った後、少し肩を落とした。


「ほらー。
やっぱり、大地くんはすぐに見抜いちゃうじゃないかー。
ここは、『お前の頼みなら何だって聞いてやるぜ』的な感じで、細かいとこは聞かずに引き受けてくれるシーンだよ?」


眉間に小さなシワを寄せながら、小林さんはそう言って、僕の方へとまた視線を戻した。


「いいけどねー。
ミキちゃんの協力はもう貰うこと確定だしー。
ねー?」


言われる言葉に、まだよく状況が飲み込めていないまま、僕は頭を縦に振っていた。
< 789 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop