花は野にあるように
「………ゴメン。
そんなにビックリさせるとは思わなかった。」


リョクの謝罪の言葉が僕の頭の上から降ってくる。


過剰反応したのは僕の方なのに………。


「う、ううん。
僕こそ………大げさでゴメン。」


まだ熱い頬と、鼓動の早い心臓の事を知られたくなくて、僕は俯いたままリョクに謝った。


「………そんなに美味しかった?」


僕の顔に付いたタレまで、舐めちゃうぐらいに?


………だとしたら、ちょっとうれしいな。


誰にも言ったことなんてないけど、ホントは少しだけ料理には自信があるんだ。
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