花は野にあるように
「ね?
あのね?
えっとさ、どういう事なの?
僕、全然話が見えないんだけど?」


もう1度、勇気を出して声を出してみる。


そして、今度の僕の質問は流れ去っていくことは、なかった。


「………えっとさ、ミキ。
文化祭で、クラスの出し物頑張ろうっていうミキの気持ちはすっごく良く解るし、伝わってくる。
でもな?
だからって、条件なんかを確認もしないまま自分を安売りするような事をしちゃダメなんだぞ?」


リョクが僕の頭に掌を置いて、僕を覗き込むようにしながら言う。


安売りなんて、していないんだけどなあ。
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