花は野にあるように
「………以上が連絡事項だ。
あ、それからもう知ってる者も居るだろうが、今日からクラスメートがひとり増える。
………入って。」
最後の部分を山元先生は廊下に向かって言う。
それに従って教室に入り、後ろ手に引き戸を閉めたその人を見た瞬間、僕は息が止まりそうな気分になった。
新しいクラスメートとして、今、教壇の上に立ち、唇を引き結んだ表情でクラスを見回しているその人は。
………今朝のチカンの人だった。
あ、それからもう知ってる者も居るだろうが、今日からクラスメートがひとり増える。
………入って。」
最後の部分を山元先生は廊下に向かって言う。
それに従って教室に入り、後ろ手に引き戸を閉めたその人を見た瞬間、僕は息が止まりそうな気分になった。
新しいクラスメートとして、今、教壇の上に立ち、唇を引き結んだ表情でクラスを見回しているその人は。
………今朝のチカンの人だった。