花は野にあるように
「………以上が連絡事項だ。
あ、それからもう知ってる者も居るだろうが、今日からクラスメートがひとり増える。
………入って。」


最後の部分を山元先生は廊下に向かって言う。


それに従って教室に入り、後ろ手に引き戸を閉めたその人を見た瞬間、僕は息が止まりそうな気分になった。



新しいクラスメートとして、今、教壇の上に立ち、唇を引き結んだ表情でクラスを見回しているその人は。





………今朝のチカンの人だった。
< 8 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop