花は野にあるように
すぐ横にある木製のベンチを指さしたリョクに頷いて、僕はリョクの手を借りながら立ち上がる。


「んしょ。
………って。
あれ?
そう言えば、肥料は?」


立ち上がった僕は、先刻まで僕がまいていた肥料の袋がないことに気付いた。


「ん。
それなら、もう撒き終わった。」


リョクが、空になってしまったビニール袋を見せながら言う。


ええっ!


いつの間にやってくれてたのかな、全然気が付かなかったよ?


「ミキが、委員長に遊ばれてる間にやっておいた。
あの会話に口は挟めそうになかったしな。」
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