花は野にあるように
僕の頭を撫でながら、リョクはそう言った。


「俺はお前のこんな笑顔をもう知ってるし、すっごく可愛くてキュートで、料理まで上手なんだって知ってるけどな。」


だけどな、ってリョクは僕の頭の上で手を止めた。


「クラスの奴らは、お前の事なんにも知らないんじゃないか?
担任だって………ヤマゲンだっけ?
なんだか、お前に興味ねぇみたいな反応だったし。」


「ヤマゲンって………山元先生だよ。
それに、僕なんて注目されるような人間じゃないし………。」


リョクみたいに、ずっとスポットライト当たって生活しているような人には解らないかもしれないけどね。
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