花は野にあるように
遠くに視線をやったまま、リョクは懐かしそうに言う。


「やったこともないフェイシングやらされるわ、ピチピチタイツ穿かされるわ、って感じだったし。
台詞回しの解釈が一致しなくて、険悪なムードになりかかったりもしたな。
んでも、今となってはさ、全部いい思い出って感じだけどな。
ジュリエットを抱き締めた瞬間に、長髪のカツラの先が鼻の中に入ってきてさ、くしゃみこらえるのに必死だったりした事も、バルコニーのシーンで、ジュリエットの降りるハシゴがちょっと壊れて、退場の時に飛び降りたら、なかなか派手な音がした事も。」
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