花は野にあるように
そう言って、リョクは僕を見ながらニヤリと笑った。


そうして、腕を伸ばすと僕の頭をそっと引き寄せて、固い胸板の上に抱いてくれた。


「まぁ、そんな感じにヤバかったトコもあったけどさ、なんとか最終的には拍手もらえるような結果だったよ。
んだから、ミキもあんまり気負わずにさ、やれば良いんじゃねえか?
俺で良かったらなんだって手伝うし。」


「え?」


突然、リョクからそんな提案を受けて、僕は驚いた。


「主役。
不安だから、嫌なんだろ?」


あたたかくて、やわらかいリョクの声が頭の上から降ってくる。
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