花は野にあるように
「俺の気のせいかも知れないけどさ、ミキはいつも俺の話、すっごく楽しそうに聞いてくれてるんだよな。
俺の話なんて、興味のない奴からすれば坊主の説教よりつたないし、面白くない。
なのに、ミキはいつだって、すっげえ良い笑顔で瞳を輝かしながら聞いてくれるよな。
俺がその事喜んでるの、知ってるか?」


耳元で、リョクの低い囁き声が聞こえる。


リョクはそう言うけど。


その声が響く度に、僕の心臓がバクバクいっていること、リョクは知っているの、かな?


リョクの胸の中に抱かれたまま、僕は心の中でそっと呟いた。
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