花は野にあるように
「注目………ってのとも、少し違うんだけどなぁ。」


リョクは頭を捻りながら考えている。


「んー?
でも、近いのか?
すっげぇお宝がすぐ近くにあるってのに、誰も気が付いてなくて見逃してるんだ。
で、俺だけが気付いてて………あぁ。
そうだな。
『なんでお前等これに気付かないんだよ!』って感じ。
俺の一等大事だから、ホントは教えたくないんだけど。
でも、おまえら見ろよっ!って自慢したい感じ。
………うん、似てるな。」


お宝………って。


僕はそんな良いものじゃないけどなぁ。


でも。


「リョクがそんな風に言ってくれるのが嬉しいな。」


僕はそう言って、リョクを見上げた。
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