花は野にあるように
「なんかさ、話してる時に興味ない、みたいな態度とられちゃうと、俺って繊細だからすぐにへこんじゃうんだよな。」


腕に力を込められて、僕は少し息苦しくなる。


「俺が本当は繊細だなんて、多分、誰も信じやしないけどな。
だけどいいんだ。
ミキさえ、信じてくれたら………!」


そう言った、リョクの言葉の熱さに僕は胸が一杯になる。


いつだって、自信たっぷりなリョクがそんな風に思っているなんて。


「リョク………。」


僕は気のきいた言葉のひとつも口に出来ないまま、ただ、リョクの名前を呼んで見上げた。
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