花は野にあるように
「エへ、じゃないよっっ!
僕の事、騙してからかったのっっ?
信じて、結構感動した僕って、ただのマヌケじゃないかっっ!」


ひどいよ。


そんなからかい方するなんて。


僕、本気で今、嬉しかったのに、何だか台無しにされた気分だよ。


「んっ!
ゴメン、ゴメン。
んでもさ、演技ってそういうもんだろ?
言葉は悪いけど、見ている奴等を騙しちまう、って感じでさ。
いつもの俺なら、絶対言いそうにない台詞も、すんなり受け入れられたって感じしねえ?」


リョクにそう言われて、あっさりと信じた僕は渋々ながら頷いた。
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