花は野にあるように
「リョクの王子様の為に………?」


「そう。
クラスの為だとか考え始めちまったら、ミキはまた行動できなくなっちまうだろ?
だから、俺のためだけに演じてみてくれないか?
文化祭の日に生まれて、その1日だけしか命のない俺が演る王子の為にさ、ミキはすっげぇ素敵な白雪姫を生み出してやってくれねえかな?」


舞台の上のほんの一瞬だけ、はじけてきらめくように生まれて存在する。


素敵な王子様の為だけに?


「………僕に出来るのかな?」


まだ、全然自信はないけど。


でも、リョクの為に頑張る事なら僕にだってできるよ。
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