花は野にあるように

10

その日の帰り道。


スーパーで買い物をしてから家に帰る僕に宣言どおりに付いて来て、重い荷物を代わりに持ってくれたリョクを連れて僕は帰宅した。


駅の改札を抜けて少し西に歩いた所にあるスーパーは、丁度僕が帰るぐらいの時間に夕方の特売をしている。


新聞に挟み込まれている、そのチラシをチェックしてから家を出るのが僕の毎朝の習慣だった。


「……主婦って毎日こーゆー重労働と、あんな乱闘乗り切ってるのか。」


夕日に照らされたリョクが、緩く続いている上り坂に長い影を落としながら、なんだかすっごくシミジミとした口調で言った。
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