花は野にあるように
7
………はずなんだけど。
「………も、やだ。」
まだ、朝露が光る花壇の前に座り込んで、僕は泣き言を呟いていた。
「んん?
どした、ミキ。
また、お姫さまは嫌だーっの発作か?」
リョクが少し楽しそうに言う。
ううう。
確かに、暇さえあれば愚痴ってるけどさあ。
「だってさ、ピンヒールって言うの?
すっごく細いかかとでさあ。
あんな靴で、立つのも大変なのに歩けるわけないよ。
それなのにさあ、監督ったら『ピンヒールにして、スカート丈をのばした方が清楚さが出る』なんて言ってさあ。」