花は野にあるように
大好きなリョクの掌の感触に、少しだけうっとりとなりながら僕は謝った。


劇が始まってからの僕は、なんだかリョクに、愚痴ばっかりしか聞いてもらっていないような気がするよ。


悪いなぁとは思っているんだけど、つい出ちゃうんだよね。


「愚痴ばっかりじゃないだろ?
ミキが頑張っている話を聞くのは楽しいぞ?
俺の出番はまだまだだからな。
今はミキの活躍を見守るだけだしな。」


そう言ってくれるリョクの視線がちらりと僕の足元に走る。


「そんな事言いながら、今、ちょっと僕のピンヒール姿想像しなかった?」
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