花は野にあるように
急に熱くなったような気がする頬を軍手をはめた手でちょっと押さえながら僕はうつむき。


そしてちょっと小さな声で答えた。


「あ、ありがと。」


だけどその言葉は、リョクには聞こえなかったのか、リョクは突然、中庭の隅の方に目立たないように作られてある作業道具入れを指差した。


「なあ、ミキ?
あの小屋ってさ、中身片付けてしまって良いんだよな?
それとさ、校舎の2階ベランダに置いてある菊の鉢な?
あんな照り返しの強い場所よりさ、こっちの庭に移した方が良くないか?」


そう言いながら、リョクはまた僕を見る。
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