花は野にあるように
心底不思議そうに、リョクが尋ねる。


あ、そっか。


リョクにはまだ言ってなかったっけ。


「あ、あそこのベランダに置いてある菊の鉢はね、山元先生の個人所有物なんだ。
先生、毎年菊の品評会に出品していてね、だから職員室に一番近い2階のベランダに菊の鉢を置いてるんだ。
でも確かにコンクリートの照り返しがあるし、土の上に移してあげた方が良いよね?」


その方が菊の花達も喜ぶような気がするもの。


「ゲッ!
んだよ。
ヤマゲンのかよ?
って、いくら顧問だからって、水やりを始めとする世話は全部部員にやらせてるじゃねえかよっ!」
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