花は野にあるように
呆れたように、でも笑いながらそう言ったリョクの顔には、ホントに仕方がないなあって思っているような表情が浮かべられていた。


「ま、それじゃ、今まで通りに面倒みてやるか?
あれって、鉢に3本植えてる3本立ての鉢ばっかりなんだよな?
小菊で形良く作るのはやってなかったよな?」


確認するように訊ねるリョクの言葉に僕は頷く。


「うん。
小菊はどうしても色ムラが出るのが気に入らないんだって。
だから、いつも3本立ての鉢ばっかりだよ?
まぁ、菊の種類はいろいろだけどね。」


ベランダの菊の花達を思い描きながら僕は答えていく。
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