花は野にあるように
「お、ミキってばいい趣味してるじゃねえか。
伊勢菊の好きな奴ってあんまりいないんだぜ。
江戸菊が打ち上げ花火の開いたところに例えられるなら、伊勢菊って、線香花火の形みたいな感じだろ?」


リョクの言い得て妙な言葉に、僕はすんでのところで吹き出しそうになる。


「言われると確かにそうかもって思うけど、打ち上げ花火と線香花火に例えちゃうのって、ヒドイよ。
伊勢菊が可哀想だよっ!」


ちょっと納得しながらも、僕の好きな花を線香花火に例えられてしまって、段々ムッとしてきてしまう。
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