花は野にあるように
そんな風にモゴモゴと口ごもるリョクなんて、クラスでは見たことのない僕は、ちょっと笑ってしまうのを止められなかった。
「んもう、リョクってば正直過ぎ。
でも、伊勢菊のそんな地味なトコロも僕は好きなんだってば。
糸状の花びらを風に泳がせながら静かにたたずんでいる姿、とかね。
だから別に、無理して派手なものに例えようとしてくれなくって良いんだよ?」
自分の顔が緩んで、笑ってしまっているのを自覚しながら、僕はリョクに言った。
「そのままの姿の花が、僕は好きなんだから。」
「んもう、リョクってば正直過ぎ。
でも、伊勢菊のそんな地味なトコロも僕は好きなんだってば。
糸状の花びらを風に泳がせながら静かにたたずんでいる姿、とかね。
だから別に、無理して派手なものに例えようとしてくれなくって良いんだよ?」
自分の顔が緩んで、笑ってしまっているのを自覚しながら、僕はリョクに言った。
「そのままの姿の花が、僕は好きなんだから。」