花は野にあるように
残念って……僕ってば何を考えているんだろう。


昼間に池のほとりで、リョクから受けたキスの感覚が鮮やかに思い出されて、ドキドキする胸を押さえながら僕は並んで歩くリョクを、そっと見上げた。


「ん?どうした?」


そっと見上げたはずなのに、リョクはすぐに僕の視線に気付いて優しい笑顔で尋ねてくれた。


「な、何でもないけど……。」


夕日に照らされたリョクの顔は本当に格好いいなぁって、見とれてただけだよ。


なんて………ちょっと言えないよね。
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