花は野にあるように
「………『花は野にあるように』の精神だよな。
いけね。
ミキに言われるまで、また基本を忘れるところだったなぁ。」


ガシガシと自分の頭を掻きながら、リョクは照れ笑いをしている。


「ミキに一本取られちまったな。」


「どうしてそんな事を言うの?
僕は別にリョクと柔道していたわけじゃないよね?」


一本の意味がわからなくて、僕は首を傾げた。


「『一本取られた』ってのはそう言う意味じゃないって。
俺が、ついうっかり基本の教えを忘れかけていたのを、ミキが思い出させてくれたんだよ。」
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