花は野にあるように
眉を寄せて考え込むリョクを、僕は不思議な気持ちで見上げる。


「そうじゃないの?
僕の考えたのって間違ってる?」


自分が見当違いの事を言っているのかと思って、僕はまた質問を重ねる。


「間違いとかじゃないんだよな。
と、言うより、正解ってのはないんだよ。
俺は、自然に見えるように手を加える事だとも思ってるし。
多分、人の数だけ答えがあるって感じのものなんだと思うぞ?」


答えはないんだっていうリョクの言葉に僕は驚いた。


「茶道の教えっていうのに、答えがないの?」
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