花は野にあるように

僕の事を、優しいけれども強い視線で見ながら、リョクは話の内容を少し変えてきた。


「動物や………人間にも？」


お花の事について言っている教えのはずなのに？


すぐには飲み込めなくて、僕はリョクの言った言葉について考え込む。


どういう意味なんだろう？


「んん。
動物達は、飼われている不自然な環境に居るより、野生の方が美しく見えるし、人間も不自然に矯めるより、あるがままの姿でいる方が、美しく見えると思うんだよな。
自然に、あるがままの自分で居られないと、人間としての根幹のどこかが歪んでくるよう気がするんだ。」