花は野にあるように
それに、らしくない自分を卑下するような言葉の連続だし。


じっと聞いていられなくって、僕はリョクの方へ身を乗り出すようにした。


だけど、リョクは僕を押し止めるように大きな掌を広げて見せて、僕の言葉を封じる。


「けどさ、そんな俺でもそのままで良いんだって言われているような気分になれるんだよな。
この教えの前だと、な。
徒花でも、へんてこりんでも、咲いているんなら、ありのままの姿で咲いていていいって言ってもらってるように思えるんだよ。」


小さな笑みを唇の端にのせたままでリョクはそんな風に続けた。
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