花は野にあるように
「自然のままに咲いているなら、咲いているままに。
そのままの花の姿を、そのままに見て、歪めることなく良いところを引き出す。
それ以上でも以下でもなく。
そんな風に思った時から、俺はこのままの俺でも良いんだって考えることが出来るようになったんだ。」


そうして、リョクは僕の言葉を封じていた掌を、僕の頭に移動させてくしゃり、と髪を混ぜた。


「誰だって。
どんな奴だって、育ってきた自分を否定したりしなくていいんだよ。
無理に否定して、花の方を変えようとしたって不自然になるだけだ。
野にある花の美しさを、引き出せる鋏を使えるようになるべきなんだよ。」
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